受験生フィールド

鬱屈した爆発! 鬱屈した爆発! 鬱屈した爆発! 誰があなたがココに来ることを予期しただろう?

のはし さとみ

夢見たんだけどね、
 
もうすでにうろ覚えもいいとこなんだけど、何かすっごく険しくて人工物にまみれた山道を車でガタガタ登ってたわけ。
とにかく急がなきゃいけない。でもこの道じゃあ、どのみち(洒落だよ!)車を捨てるしかない。
車には集団で乗っていたんだけど、武士の格好した西田敏行(これは多分『八重の桜』の影響だろう)に、
「いいから早く行け」と言われ、俺だけ車から飛び降りて、山肌に開いていた穴に飛び込んだ。
 
そこはどうやらタイムスリップする穴だったらしくて、時代をさかのぼった俺は戦国時代っぽいところに着き、
なんやかんやあった後(失念)、戦国時代もしくは安土桃山時代に着いた。
なぜその時代だとわかったかというと、千利休がその和室の隅にいたからだ。
 
俺はその部屋の中央まで進み、障子に向かって胡坐(「あぐら」ってこうやって書くらしい)をかいた。
俺の前には同い年くらいの女の子がいた。もちろん格好は着物だけど。
話し方もその時代の話し方だったんだけど、でも現代風の話し方を押えてそういう話し方をしているように聞こえた。
だから何とか本当の彼女を引き出そうと話題を現代のことに振ってみると、案の定食いついてきて映画の話をしてくれ、その部屋の外に映画館があることなども教えてくれ、口調は現代風になっていた。
明るくて、笑顔が似合う、現代の女の子だった。
俺は理想として、いつも「清楚で可憐で大人しくて…」という文学少女的な女の子を思い描いていたけど、
この女の子は俺の「理想」とは正反対であるにもかかわらず、とても好感が持てる子だった。
 
「理想」ってなんだろうか。本当に俺の理想なんだろうか。もしかしたら時代に作られてしまったものではないのか?
 
楽しい会話もすぐに終わりを迎えた。彼女は急いで外に出なければいけなくなったのだ(誰かに呼ばれたのかもしれない)。
「じゃあ、またね…!」
 
行ってしまう。
 
俺は現代に戻ってもこの子に会いたいと思った。
 
「あのさあ!」
俺は急いで呼び止めた。
「あの、なれなれしくてごめんね、いやだったらいいんだけど名前だけ教えてくれない?」
彼女は立ち止まって振り向いた。笑顔だった。
「のはし さとみ だよ」
「のはし さとみ、ね?わかった、ありがと!」
 
彼女は走って行った。
のはし さとみ か…現代に戻ったらFacebookで調べないと。
 
 ~   ~    ~
 
そして僕は夢から覚めました。
Facebookで「のはし さとみ」と入れてみたけど、いない模様。
でも、昨夜同じように戦国時代にタイムスリップした夢を見た「のはし さとみ」さんがどこかにいるって、
僕は信じてます。
 
 
 
…でも見たことない人が夢に出てきたら、その人ってもうなくなってる人っていうよね。
でも…生霊とかもあるし、俺は信じるよ。